大回遊

 

 

 


イシタケの大森林。
イシタケは、
永久機関の水揚げポンプのように
とうとうと地下から水を吸い上げ、
北の乾燥した気候から、
表面の渇きを防ぐように、
自らの体の上にせせらぎを作っています。
その豊富な水量は、
周縁部で滝となって流れ落ち、
周囲に湖沼地帯を作っています。
水は地下水との大循環をなし、
菌体には鍾乳石のような鉱物質の沈着を形成しています。
空中を遊泳する巨大な生き物は、渡りの習性があります。
極を行き来する大回遊の途中、毎年この地方に群れをなして飛来します。