山越え

 

 

 

うみへ向かう道をこのあたりまで登ってくると、
トラムの両側には、
水道局の疎水や送電施設、通信線、
そしてインクラインの遺構が絡むように敷設されています。
この峠で束ねられたこれらのラインは、
山の向こう側まで寄り添ったあと、
また各々の方向に向かって延びていきます。
この時間帯としては、
特別に1本だけ運転されるトラムを利用して、
夜勤あけの職員たちが水揚げポンプ場から家路について行きます。